俳句

 「咳をしても一人」
 という俳句がある。
 五七五という形式にとらわれない、自由律俳句の名作である。
 病床での孤独を詠んだ俳句。



 これに対抗して、俳句を詠んでみた。
 「自慰をしても一人」
 俳句に現れる孤独感は、上の句に負けていないと思う。



 ただ、孤独感以外のすべての部分で絶望的に負けている。
 私と俳人を隔てる、予想以上に高い壁。
 多分、私が自業自得で壁をどんどん高くしているのだと思う。