そういうオブセッション

 3年前,何かの手違いで東大に入学してしまった私であるが,もしその当時,自然科学に対して淡い期待を抱かずに,どこかの医学部に入っていたとしたら今頃,そしてこれから,どうなっているのだろう.ふと,そう考える.


 「医者は考えているほど甘い職業じゃないよ」


 そう言う声も聞こえる.たしかにもっともな意見だと思う.
 本当に人のために働こうとしたら,厳しい職業なのだろう.特にかけ出しの頃は激務だと聞く.
 しかし,「人のため」という使命感を一切捨てて,金のために働くとしたらどうだろう.


 ちんちんの皮を切るごとに15万である.
 諸経費を差し引いても,月15人くらいのちんちんの皮を切れば生きていけるだろう.
 そんな人生もありなんじゃないだろうか.
 後ろ指を指されてもいい.
 近所の人から自分の家を「皮御殿」と呼ばれてもいい.
 私は医師免許を持ったブラックジャックになるのだ.