コミケ

 生まれて初めてコミケとやらを生で体験した。二日目、ということで女性向けの日であった。要はやおい*1の日である。思っていたほど混雑はしていない。聞いたところによれば、三日目の男性向けの日が酷いことになるらしい。

 同行者が気ままに行動する間、私は人間観察や立ち読み等にふけっていた。18禁の本を手に取る。大抵は「これで腐女子の皆さんはオナニーとかできるんだろうか」といったレベルのシロモノであったのだが、ちゃんと性描写がされているものもある。しかしながら、ディテールに疑問が。

 「その体位は無理なんじゃないのか」といったレベルのものはさておき、一番ひどいと思ったのは「ちんこが裏表逆」であった。より正確に言えば、亀頭が逆に装着されているのである。それでは平常時には裏筋が前に来てしまうだろう。

 一体どうしてそんなことになってしまうのだろうか。その最大の原因は、やはり制作者サイドに正確な知識がないことであろう。見たことがなければ調べるしかないのだろうが、彼女たちが調べるに当たって最も身近な資料は、同業者の描いた同人誌であったのかもしれない。そして、その同人誌が、もしちんこ裏返しだったとしたら。

 そう考えると、最初にちんこを裏返しに描いた者の罪は重い。そのせいで、今日も、そしてこれからも、日本のどこかで裏返しのちんこは拡大再生産され続けていくのである。



 個人的には、ちんこを裏返しに描くという奇怪な風習は是非とも継続していただきたいと思う。「私、実物を見たことがありません」ということを読者に人知れずカミングアウトする踏み絵として。

*1:やめて おしりが いたいから の略