中国大パンダ

 バイト先で、「中国大熊猫」というお菓子が発掘された。
 発掘された、と表現したのは、それが半年前にバイト先に持ってこられたものだからだ。もう喰えないだろう、という意見が多数を占める中、賞味期限を見たらあと1年は大丈夫とのことだった。


 中を見たら、パンダ形のチョコレートの立体造形であった。チョコレートとホワイトチョコレートで白と黒を表現。
 かなり精巧に作られていて、プラスチックのおもちゃのような質感がある。いやチョコレートなんだけど。


 おそるおそる口に入れてみる。ばきっと歯で割る。
 歯が折れるかと思った。見た目を裏切らない硬さである。できれば裏切ってほしかった。
 ただ、驚くべきことに、その味わいや口どけといったら、まんまろうそくなのである。甘く味付けしたろうそくの味わい。
 今まで食べたチョコレートの中でいちばんまずい、っていうかチョコレートとカテゴライズすることすらためらわれる味だった。カカオ?ハッ、ていうこのスタンス。



 これだから共産主義の国は。 


 それにしても、賞味期限3年のチョコレートって。