新しい○○のかたち

 ガラス細工の実習で、TA(ティーチングアシスタント)の方が前で実際にやり方を見せてくれる。不器用な私とは違い、見事にガラス管を曲げたり伸ばしたりしている。



 私がTAだったらどうだろうかと妄想してみた。



 「君、ちょっとみんなに見せてみなさい」
 「はい…」
 がしゃん、ぱりーん
 「あちっ、あちっ、あちーっ」
 「もういい、私がやる」
 「…はい」



 こんな感じだろう。みんなの失笑を買う、そんなTA。
 でも、これでいいのだと思う。
 学生にとって、知識はちっとも身につかないけれど、事故はきっと減るはずだ。
 物事を教えなければならないという既成概念を取っ払い、ただ反面教師としてのみ存在する、そんなTA。



 そのためならば、水ぶくれを自慢げに見せびらかす覚悟も辞さない構えである。