女の部屋

 九州で、ネットゲーム友達の家を訪れた。ちなみに女性である。なりゆきでそういうこともある。
 彼女は、家に行くという話になったとき、最初は激しくためらい「私の部屋は汚い」と連呼した。ひそかに胸を高鳴らせて部屋に踏み込んだところ、その光景に驚愕した。汚くないのである。もうぜんぜん汚くない。



 そんなに汚い汚いというのなら私を見習うべきだと思う。
 玄関にはペットボトルが20本くらい転がり、部屋に足の踏み場は文字通りなく、引越し当時からダンボールの中の荷物がそのまんまだったり、気まぐれにごみをゴミ袋に2袋突っ込んでみても1m先のゴミ捨て場に行くことなく放置してみたり、本棚が割れてたり。
 せめてそれくらいやってから、部屋が汚いなどとほざいてほしい。



 そう高らかに宣言したところで、砕け散っていくのは私の自尊心ばかりである。
 だめ人間の縮図。