開き直るかのように

 昨日は、メイド居酒屋で開かれた飲み会に出席しておりました。とはいっても、私にそういった性的嗜好があるわけではなく、この春に東京を去る方の送別会が行われたわけです。なぜ送別会がメイド居酒屋で開かれるのかについては、長くなるので省略させていただきますけれども。
 なぜかメイド居酒屋で開催される送別会。業の深い団体です。


 店内には、名前は忘れましたが、高専のポスターが貼ってあります。学校のポスターとメイド居酒屋。ありえない組み合わせに見えますが、メイド居酒屋に張り出されるだけの理由は十分あって、学校のポスターのくせになぜか萌えキャラとかが描かれているわけです。しかも国立の学校なのに。だめを押すように3種類のバージョンが。


 もうなんかこれを見た時点で異次元に迷い込んだような錯覚をおぼえるわけですが、料理になんこつのから揚げが出てきたときに思わず「なんこつ」といえばみさくらなんこつですよね、と口走った私も同罪なのかもしれません。多分閲覧者の7割くらいの方がこの意味がわからないと思いますが、詳細は省きます。というか省かせてください。


 店内の壁には、有名人のサイン色紙がずらっと飾られています。いや、有名人とはいっても私はひとりもわからないのですけれども。私の中の有名人というパラダイムが崩れ去っていきます。そのなかの色紙の一つにインリンオブジョイトイと書かれていたのが印象的でした。インリンオブジョイトイってどこかの写真週刊誌でエロテロリストって書かれてた気が。


 もう一方の壁に貼ってメニュー。そのなかにある「美少女」という文字。おお、あの熊本の銘酒「美少年」に対するオマージュっていうかパクリなのか、と思ったら、おんなじところが作っているようです。「美少年」の度数を落としたものが「美少女」だという身もふたもない説明がメイドコスプレの店員からなされました。「美幼女」にするべきだと思います。と同席者が言いました。私ではありません。


 4人くらいずつのテーブルに分けられたのですが、私のいたテーブルでは終始量子論とか相対論とか統計物理学の話がなされていました。メイド居酒屋で。世界一似つかわしくない光景です。ある意味似合っていると言うべきなのかもしれませんが。結論として、メイド服はいいとして、メイド服の中の人に難があるのではないかという結論に落ち着きました。婉曲な表現だと思います。