都合の良い人間

 都合の良いときにだけ、話しかけてくる人間が、嫌いだ。
 宿題を確認されたり、あるいはテスト前にノートを貸せと言ってきたり。普段は全く話しかけてこない人間が、このように振舞うのは実に腹が立つ。私はあなたのために生きているのではないと、強く言いたい。


 そのような人間は、何かしらの対価を支払うべきであるのだと思う。


 例えば、私がテストの情報を得るために、ほとんど誰とも話さなかったようなクラスの掲示板を覗いたとき、そこで見たものは私以外の人間による和気あいあいとした雑談。よりいっそう深まる自分自身の孤独。この孤独と引き換えに私は試験の情報を得るのだ。
 対価を支払う例として、自分を例に取るつもりだったのだが、いっそう深刻な自分自身の問題に直面させられている。ほんのりと切ない自爆。