民主主義的な急行

 同じサークルの人と話していたら、こんな話になった。


 われわれの通う大学のもよりの駅にも急行を止めてほしい。いや、止めるべきだ。しかし、実際問題として、その駅の利用者数が多くなるのは通学の時間帯だけなので、この夢の実現は難しいのだろう。
 ということは、時間帯によって急行を止めるかどうかを変えればよいのではないか。



 その一つの案として、多数決で急行を止めるかどうか決定するというのはどうだろう。入り口に回転式のカウンターをつけて、乗客数を数える。そして、次の駅で降りたい人は電車の中のボタンを押す。その結果によって止まる駅が決定される、という方式だ。


 「次は〜、神泉、神泉。乗客337名様のうちお降りになるお客様が27名様ですので神泉には止まりません」


 たとえば井の頭線ならこんなあんばいだ。期せずもギャンブル性を帯びる電車利用。ちょっと胸がときめく。
 だが、問題は、その方式が採用されたところで、私が乗る駅も降りる駅もきっとスルーされるであろう、ということだ。
 もう面倒くさいので全部の駅に急行を止めてしまえばいいのではないかと思う。神泉以外。